英検(実用英語技能検定)は知名度が高く、日本で最も有名な英語の資格試験の1つです。

同じく有名なTOEICと英検で大きく異なる点としては、英検は試験結果が合格・不合格ではっきりわかれることでしょう。

出題内容に関して言えば、英検ではリーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの4技能が問われます。TOEICでは1度の試験で4技能全てが問われることはありません。

英検の1次試験は筆記試験で行われますが、この筆記試験で合格を左右するのが単語・語彙のパートです。

英検の単語・語彙パートは難易度が高いことで知られています。そのため英検合格のためには単語・語彙対策が重要です。

この記事では英検対策に利用したい英検対応単語集を2つご紹介いたします。

「でる順パス単シリーズ」とは?

「でる順パス単シリーズ」とは英検の各級試験対策に対応した英単語集です。「英検1級」「英検準1級」「英検2級」「英検準2級」「英検3級」「英検4級」「英検5級」の計7種類が旺文社から発行されています。

特長は英検対策に特化した英単語集であるということです。英検の過去問を分析し、よく出題される単語を「でる順」に掲載しています。

そのため英検の単語・語彙パート対策に適しています。英検対策に最も効果的な単語集と言ってもいいでしょう。使用する英検受験生も多く、迷ったらこのシリーズを選択しておいて損はありません。標準的なスタイルの単語集となっており「でる順パス単シリーズ」を使えば英単語・日本語訳・例文を効率よく学習することできます。

でる順パス単シリーズの使い方​

でる順パス単シリーズの使い方はシンプルです。

どんどん読み進めて英単語の意味を覚えていきましょう。

基本的にご自分の好みのやり方でいいと思いますが、とにかく何度も見る・読むということが最も重要です。本書の英語音声も提供されていますので、これを聞くことも暗記の助けとなるでしょう。

例文はもちろん役立ちます。しかし難易度が高いのも事実なので、はじめのうちは無理に読まなくてもいいかもしれません。

 

1日何ページや1日何単語という進め方はあまりおすすめできません。

ざっとでもいいのでまずは本の全単語に目をとおすことを優先し、長くても1週間程度で最初の1周をこなしたいところです。

この際、覚えようとしすぎる必要は全くありません。

知らない単語を1回で全て覚えることは不可能です。

「こんな単語があるんだ」「こういう単語が出題されるんだなぁ」程度の認識で十分です。

 

まずは1週したら、2週目以降はまだ覚えていない単語を特に意識して読んでいくようにしましょう。1週目よりも早いペースで読んでいけるようにしたいところです。

3週目、4週目と繰り返していけば少しずつに意味がわかる単語が増えてくるはずです。

こうなってくれば理想的です。意識して読む・覚える単語が減るため、より早く読めるようになっているはずです。

 

単語を覚えようとして、かえって全然進まないのでは全く意味がありません。

とりあえず単語と意味を見る・読む程度の心がけで対策はスタートできます。

最終的には1~2時間程度で1冊すべてを見直すことができる状態になれば、英検の単語・語彙パート対策としては上出来です。

「文で覚える単熟語シリーズ」とは?​

「文で覚える単熟語シリーズ」とは英検の各級試験対策に対応した英単語集で、特に英文を利用して単語を覚えるという点が特長です。

「英検1級」「英検準1級」「英検2級」「英検準2級」「英検3級」「英検4級」「英検5級」の計7種類が旺文社から発行されています。


4級と5級については「絵で覚える単熟語」という名称で発行されており、イラストや例文で単語を覚えることができる構成となっています。

「でる順パス単シリーズ」と同じく、英検対策に特化した英単語集です。


「文で覚える単熟語シリーズ」は文章を読みながら単語を覚えることを目指す構成です。

そのため英検の単語・語彙パート対策だけでなく、リーディングパートも同時に対策できます。

いわゆる長文で単語を覚えるスタイルの単語集で、このような形式の単語集が好きな方には特におすすめできる単語集となっています。

 

「文で覚える単熟語シリーズ」の使い方​

英文が掲載されているためリーディングパートの勉強にも適しており、1次試験の単語・語彙、リーディングパートを総合的に学習することができます。

単語をある程度勉強してから文章を読むのか、あるいは初めから文章で学習していくのかは個人の好みとなるでしょう。

ただ、あまりにも単語がわからない状態で長文学習をしようとしても効率が悪い上、精神的にも辛いです。このような場合にはまず単語を重点的に学習しましょう。

「でる順パス単シリーズ」と同様に単語集を何度も繰り返し、素早く周回できるようになれば単語・語彙対策は万全です。

 

「文で覚える単熟語シリーズ」には「でる順パス単シリーズ」にはない強みもあります。

それは文章を読むことにより、様々な知識が身につく点です。

英検の試験ではTOEICと異なり、現実の知識が役に立つ場面があります。

例えばTOEICはビジネス英語などとよく言われますが、受験者にビジネスの専門知識あったとしても、それが解答の役に立つことはありません。

TOEICいわば架空の設定の中で、そのシチュエーションに合わせた英語能力が試される試験です。

 

一方、英検では現実の世界をベースにした英文が出題されます。

1級・準1級・2級・準2級など、高難易度の試験では、例えば科学・医学・歴史・文化・社会などといったテーマで、実際に世界でおきていることから出題されるのです。

 

したがって色々な知識をもっていたり、あるテーマについて詳しければ、自分が知っている内容の出題にめぐりあう可能性もあります。

このような状況となれば出題内容がイメージしやすいため、短時間で正確に解答できる期待が高まります。

 

もちろん、すべて知っていることから出題されるというような状況は考えにくいです。

英検で問われる内容は比較的新しいものが多く、通説や従来の考えよりは少し進んだ内容が出題の中心となる傾向があるからです。

しかし、そうであったとしても関連する知識をもっていることは解答に際してとても強力な武器となり得ます。

実際の知識を試験で活かすという観点からも「文で覚える単熟語シリーズ」はおすすめできます。

 

迷ったらどちらがいいか?​

「でる順パス単シリーズ」と「文で覚える単熟語シリーズ」のどちらを選べばいいのか、迷って決められないという方もいらっしゃるかもしれません。どうしても決められない方には

「でる順パス単シリーズ」がおすすめです。

理由は2つあります。

1、「でる順パス単シリーズ」の方が収録単語数が多い​

「でる順パス単シリーズ」の方が収録されている単語数が多い傾向にあります。

社会人受験者が多い英検準1級や英検2級で比較してみましょう。

英検準1級だと「でる順パス単シリーズ」が約1850単熟語収録。「文で覚える単熟語シリーズ」が約1520単熟語収録となっています。

英検2級だと「でる順パス単シリーズ」が約1700単熟語収録。「文で覚える単熟語シリーズ」が約1380単熟語収録となっています。

2、「でる順パス単シリーズ」では「英語の友」(音声アプリ)を利用できる​

「英語の友」とは、旺文社が発行する本の英語音声を聞くことができるアプリです。スマートフォンで利用することができます。

このアプリを使えば、気軽にスマートフォンで「でる順パス単シリーズ」に収録されている単語の音声を聞くことができます。

音声の速さを変えたり、単語間の間隔を調整することもできます。CDやダウンロードよりも便利で、学習にとても役立つおすすめのアプリです。

「英語の友」は「文で覚える単熟語シリーズ」には未対応です。

 

 

「でる順パス単シリーズ」「文で覚える単熟語シリーズ」はどちらも優秀な単語集です。

1冊しっかりと取り組むことができれば、実際の試験に対応できるようになるでしょう。


ご自分の好みにあう方を1冊選び、まずは1度目をとおしましょう。

試験まで何度も繰り返すことができれば、英検合格に必要な単語力を身につけることができるはずです。

余裕がある方や単語・語彙パートを得点源としたい方は、2冊とも挑戦してみるのもおすすめです。

 

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Takashi

TOEIC980点、VERSANT69点。
外資系製薬会社で4年間、翻訳家として勤務。その後、カナダ・オーストラリアへのワーホリを経験。現在は翻訳家、英語講師、ライターとして活動中。

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